●2004年初夏、失意の民主党・菅直人遍路に出る 失速しなに思った菅お遍路へメディアを供に同行ふたり ご利益は四国の票の掘り起こし山門ごとに人垣ができ 帰りたやこの人気もって永田町うしろ姿のしぐる間もなし
●2005年夏 固唾呑む荒神山に血煙かりりし鉢巻腰に竹光 あけぬれば崩るるものと知りながら大宮人が夢の浮橋 これはまた宴会帰り珍客かされどもここは別のお座敷 鬱陶しや六道輪廻澱みおり気散じがてら衣替えせむ 兵児帯の端をつかんで待てしばしふり切ろうにも下はゆるふん 沿う鳴門壱岐にも走る帆かけ舟渦々観ず潮の変わり目 はすかいの日曜大工は知らざらんトンチン鼻唄オーフロインデ 瀬はしぶき労組にせかされしぶしぶと乞われて末に会うもやむなし 猿山に酒天童子の現れて酒酌みあいて尻まで染まる 千歳かけ江戸の夢から京さめて難波鞆あれ関門くぐらん 目に青葉てっぺんかけたかほととぎすたった一声あとは森閑 あだし野に陽は落ち風は蕭蕭と烏一声入相の鐘 あだし野に入相の鐘流れきて烏ひと声風は蕭蕭 あだし野に渡り烏の舞い降りて何をあさるか入相の鐘 あだし野に入相の鐘蕭蕭とこれも定めか一蓮托生 ぬるま湯につかり続けて半世紀お湯は冷めたが出るに出られず 背をまるめ時流もきかずひきこもりアカルンペンと人はよぶなり (アカルンペン=academic
lumpenproletariat) ● 第44回総選挙が2005年8月30日公示される。投票日は9月11日。内輪もめの村落社会型の自民党と烏合(都合)の衆の寄り合い民主党の2大政党の決戦とかいわれている。しかし、いまひとつ観戦気分が盛りあがらないのは、ケチな話題はあるが、本格的な争点が隠されているところに原因がある。 七重八重屁理屈こきあい山吹のみのひとつだに出ぬふんづまり 恋すみて髪逆立てて獅子吼する一寸先の闇の断崖 濃い墨の餅を絵に描き空也とは食えぬお方よそれは雪舟 組長にさかずき返した一揆衆鉄砲玉の影におびえる 越後なる山姥退治の刺客殿洋行帰りでドスよりもメス 越後なる山姥退治の刺客には藪の中から薬師選らばる 村芝居刺客くのいち不惑過ぎ乙女の姿もはやとどめず くのいちがトランスに入りカーリー神だんびら片手へそ踊りする 小泉君を送る ●2006年12月30日 サダム・フセイン処刑 おれなどはあやつとくらべ小悪党軒の干物となりて朽ち果つ 一滴の油に飢えたやから来て身は吊るされて露と熱砂へ
安倍晋三首相が閣議で入室したときに起立できない、私語を慎めない政治家は美しい国づくり内閣にふさわしくない。閣僚、官僚のスタッフには首相に対して絶対的な忠誠、自己犠牲の精神が求められる。首相の当選回数や、かつて仲良しグループだったかどうかは関係ない(中川秀直自民党幹事長、2007年2月18日、 幼君といえども血筋確かなり御前であるぞと爺はかんかん ●2007年9月の狂歌 大歩危寒山人 へっついにけむこそみえね陽は落ちて人なき里に秋は来にけ 2007年9月吉日、安倍君を送る 安倍川に溺れにけりないたずらに岸のあやかしながめせしまに 同じころ、日の本のあすを思いて 雪月花春夏秋冬順送り朱に染まって日輪沈む ●2007年9月下旬、自民党の後継総裁就任を祝う」
雲間より出でし月影つかのまにあとは闇夜のアフガンの沖 ●2007年9月、ビルマの僧侶の民主化要求デモを見て 外つ国の僧は列なし覆鉢すさらばわれもと東京の空
役人の道こそ険し接待に漬かれど礼もできず食い逃げ 寒山人 かんなづき翁のふたりひき籠もりなにごそつかすたそがれのころ 寒山人 公金を寄ってたかって食い散らしそれでもたらずどう消費税
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