photos by mandala
1. 2006年7月上旬
驟雨きてやがて溶けゆく浮御堂 鰻鱈
2. 2006年7月上旬
がらくた屋哄笑を聞く夏の闇 鰻鱈
3. 2006年7月中旬
あぶら汗身もそぎ落とす岩の壁 鰻鱈
There are times when a climber has to make up his mind
for very unpleasant possibilities. (J. Tyndall)
4. 2006年7月中旬
ああ楽や汗疹へぎとる冷えた海 鰻鱈
5. 2006年7月中旬
氷河出て岩噛み下る水の涼 鰻鱈
6. 2006年7月下旬
人ハ釣ラズ魚ハ釣ラレズ盛夏哉 鰻鱈
7. 006年7月下旬
暑気あたり秀峰山腹雪くだる 鰻鱈
8. 2006年7月下旬
僕の夢オカに上がって家建てる d. horse
9. 2006年8月上旬
風わたる梢や水は夏映す 鰻鱈
10. 2006年8月上旬
帰りなん少年の日の夏の野へ 鰻鱈
11. 2006年8月上旬
ドリアンの落ちた音聞く午睡かな 鰻鱈
恒河涼風
一切放下
鰻鱈
beyond the senses
unveil the real knowledge
of the living entity
from Bhagavad-gita
2006年8月中旬
夏雲やこの山割って孫悟空 鰻鱈
12. 2006年8月中旬
心頭を滅却すれど残暑かな 鰻鱈
2006年8月下旬
あかね空明日へと渡るラーの舟 鰻鱈
13. 2006年8月下旬
わが空をいつ染めかえて秋の風 鰻鱈
14. 2006年8月下旬
温室も窓開け放す残暑かな 鰻鱈
15. 2006年9月上旬
岩鼻や月出る先の指定席 鰻鱈
16. 2006年9月上旬
秋暑し余熱に火照る実り哉 鰻鱈
17. 2006年9月中旬
オリエント夢のかけらか秋の蝶 鰻鱈
18. 2006年9月中旬
虫時雨途絶えた朝秋の霜 鰻鱈
19. 2006年9月中旬
秋風や森の女は飾り窓 鰻鱈
20. 2006年9月中旬
時代映すか不吉に赤く残照 鰻鱈
2006年9月中旬
落鮎に雨は寂寞水暗し 鰻鱈
2006年9月下旬
乙女らはたがために舞う秋日和 鰻鱈
2006年9月下旬
青い空つきぬけてもなお高い空 鰻鱈
2006年9月下旬
権力に乾くは秋の宿痾にて 鰻鱈
2006年9月下旬
唐茄子ごろん日本の秋にかさばる 鰻鱈
2006年10月上旬
なんとはなし秋は深まる気配あり 鰻鱈
2006年10月上旬
極楽とんぼ何を暢気なことを言う 鰻鱈
2006年10月中旬
秋深し冷たき石に憂いあり 鰻鱈
2006年10月中旬
冬隣暖色纏う北の街 鰻鱈
2006年10月下旬
百歌高吟小粒にして秋殷々 鰻鱈
2006年10月下旬
ぬくぬくと秋の鳩枯葉と落ち葉と 鰻鱈
2006年11月上旬
錦を綴る流れ白糸 鰻鱈
2006年11月上旬
仏頂面を避けて秋風は吹く 鰻鱈
2006年11月中旬
紅涙とはもみじの雫か青空 鰻鱈
2006年11月中旬
晩秋初冬暖くして紅葉ほのかなり 鰻鱈
2006年11月下旬
銭捨てよ心の荷物軽くなる 鰻鱈
2006年12月上旬
におい立つ銀杏並木の濃密さ 鰻鱈
2006年12月中旬
しばし風やみ日向にぬくもりあり 鰻鱈
2006年12月下旬
おたちあい笑うしかない年の暮れ 鰻鱈
2006年12月下旬
ふわりと包むおおつごもりの寒さかな 鰻鱈
2006年12月下旬
昼行灯ほどの月もある年の暮 鰻鱈
2007年1月上旬
あけぬれば浮寝の夢も凍る朝 鰻鱈
2007年1月上旬
雪よりなお寒々とそそり立つ岩の肌 鰻鱈
2007年1月下旬
雪ぐもり真綿で首をしめられる 鰻鱈
2007年1月下旬
しぐれかもセンター試験帰り道 鰻鱈
2007年1月下旬
冬の水はだまってこわばっている 鰻鱈
2007年2月上旬
mandala buson
寒風はいずこを吹くか枝の鳥 鰻鱈
2007年2月上旬
冬に咲く八千代椿は牡丹にて 鰻鱈
2007年2月中旬
なにごとぞ二月の光ただならず 鰻鱈
2007年2月中旬
なんの芽かわからぬままに春そだつ 鰻鱈
2007年2月中旬
緑濃い葉に鮮やかな冬の赤 鰻鱈
2007年2月下旬
春きたりなばかたちばかりの雪解けて 鰻鱈
2007年2月下旬
待ちきれず水ぬるむ前ひと潜り 鰻鱈
2007年2月下旬
ほの白くあまくやさしく夜の梅 とらや羊羹
紅白も遅速も愛し梅の花 鰻鱈
あかしろもはやいおそいもいとしうめ
2007年3月上旬
啓蟄へ動き始めたいのち哉 鰻鱈
2007年3月上旬
紅の独楽春を舞う二つ三つ 鰻鱈
2007年3月下旬
むらさきに記憶溶けゆく雨季のころ 鰻鱈
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